カードローンでお金を借りるときは、返せなくなるなんてことは想定せず借りる人がほとんどです。
きちんと返すつもりだし、返せなくなるなんて考えもしません。「たとえ、期日に間に合わなくても、近いうちに返せばいいか!?」などと軽く考えているとしたら、それは大間違いです!
返済が遅れると遅延損害金が発生しますし、3ヶ月以上延滞した場合、事故情報として信用情報機関に記録されます。そうなれば、車や住宅のローンを組もうと思っても組めなくなります。カードローンの返済が滞るというのは、簡単なことではないのです。
あなたの言い分が、
返却日をうっかり忘れていた
つい、口座への入金を忘れただけ
など理由があっても、遅延は遅延で言い訳は通用しません!
ここでは、遅延したときに直ちにすべきこと、遅延した結果起こる最悪のこと、遅延損害金などについてまとめました。ぜひ、参考にしてください。
〇 カードローンの延滞、遅延に関して知っておきたい基本事項
① 延滞(えんたい)と遅延(ちえん)はどう違うのか?
一言で違いをまとめると、支払いが遅れた日数の違いです。延滞は2~3ヶ月以上の長期間の遅れで、遅延は延滞より短い遅れになります。
個人信用情報機関(CIC、JICC、KSCという三大機関)では、返済日から61日以上、または3ヶ月以上を延滞と定義づけています。
金融機関(銀行など)、消費者金融などによって事故情報が登録されるタイミングが異なるとはいえ、2~3ヶ月の延滞でブラックリストに載ると考えるといいでしょう。
一方、支払いの遅れがこれより短くて、数日後に振り込んだり、再引き落としに間に合えば遅延として処理されます。ただし、繰り返すと延滞として取り扱われることもありますから要注意です。
② 遅延が延滞に変わるタイミング
とても大事なことなので、もう少し具体的に見てみましょう。あなたが、引き落とし日を忘れていて引き落とされなかった場合、相手の金融機関から「引き落としができなかった」旨の返済のお知らせハガキが送られてきます。
たいていの場合、圧着式のハガキで、内容がかかれた振込用紙になっていて、再期日までに支払うよう書いてあります。コンビニや銀行で、その用紙で支払えば、遅延として扱われ、延滞にはなりません。
ハガキや電話での督促でも支払わないまま、2~3ヶ月放置すると、延滞扱いに変わります。
遅延だと契約している金融機関内の情報で済んでいますが、延滞になると、事故情報として個人信用情報機関に登録されます。つまり、これがブラックリストに載るということです。
【遅延損害金の計算方法】
「借入額(元金)×遅延損害金年率÷365(日)×延滞日数」という数式になります。
例えば、20万円借りて、返済日から30日延滞した場合(カードローンの遅延損害金年率20.0%)だと、
20万円×20.0%÷365(日)×30(日)=3287(円)となります。遅延損害金は、1日ごとに計算されますので、遅れれば遅れるほど、高額になります。
※大手カードローンの遅延損害金利率一覧
※以下は法改正などで変更になることがありますので、記事を公開する直近の情報をご確認ください
アコム:20.0%
プロミス:20.0%
アイフル:20.0%
モビット:20.0%
レイクALSA:20.0%
三菱UFJ銀行:通常借入金利と同じ
三井住友銀行:19.94%
じぶん銀行:18.0%
イオン銀行:19.8%
楽天銀行:19.9%
みずほ銀行:19.9%
いずれも高利率です。遅延損害金が発生しないように返済することが一番大切です。
〇 カードローンの返済の遅延で起こりうる最悪のパターン
借りた時から、遅延するつもりで借りる人はいませんが、やむを得ない事情で支払えなくなることもあります。事情がどんなものであっても、遅延は遅延です。遅延に対しては、ペナルティが課せられます。どんなペナルティが付くのか、順番に見ていきましょう。
• 事故情報が登録される(ブラックリスト)
個人信用情報機関に事故情報が記録されます。ほとんどの場合3ヶ月以上の延滞でつきますが、カードローン会社によっては2か月以上の遅延でつくこともあります。
この記録は、あなたは返済能力がなく、返済義務を守らないということを示しています。これを、あらゆるカードローン会社が閲覧可能です。あなたが新たなローンを組もうとしたとき、他の金融機関や消費者金融に返済能力がないと判断されます。
• 借入限度額が減額される
カードローンの返済の遅延、延滞がある場合、借入限度額が減額されます。カードローンの借入限度額は人によって違いますが、最初に設定されています。それが。遅延や延滞によって「返済能力がない、返済義務を守らない」と判断され、借入限度額が減額されますから、気を付けましょう。
• 遅延損害金を支払わなければならない
遅延損害金とは、返済が遅れた場合のペナルティとして支払う義務のある料金のことです。先ほども計算式をご説明しましたが、1日ごとに計算されます。遅延損害金年率は非常に高率でしたね。
カードローンの契約を結ぶときの書面に「返済が遅延した場合、遅延損害金を請求する」と明記されており、あなたはそれに同意していますので、支払い義務が発生します。
先ほどの遅延損害金年率の一覧を思い出してください。銀行も消費者金融も若干の差こそあれ、ほとんどが20.0%でした。年率20.0%というのは、すごい高利です。返済が1日遅れるたびに、支払額が増えていきます。1日も早く返済しましょう。
• 利用停止処分
1度だけの遅延ではなりませんが、遅延を繰り返したり、長期間にわたる遅延の場合、利用停止になります。悪質と判断されたわけで、「もう借りることができない」ということです。
貸しても返してくれない人に、また貸したいですか?貸したくないですよね?当然の結果といえるでしょう。
契約書に明記の「期限の利益の喪失」条項に当てはまるので、カードを利用停止にされても、文句は言えません。
もちろん。その後、返済を滞りなく行えば、2,3~6か月程度で元の状態に戻れることもありますが、やはり半年ぐらい、利用を止められることもあるので、カードローンの借入が生活費の中に繰り込まれている場合はたいへんです。
契約中に利用停止にならなくても、更新時の更新審査にパスできず、カードを解約されるケースも考えられます。
〇 カードローンの返済が遅れそうと分かった時に即すべきこと!
たいていの人は、今月は返済が遅れそう、できなそうということが事前にわかります。わかっている場合は、そのまま放置せず、できる最善のことをしましょう。放置しておくことは一番避けるべきです。
払えない、遅れそうとわかった時点で、カードローン会社に電話して相談しましょう。
その時、「いつまでに入金可能」「支払える見込み」など具体的に正直に話すことが大切です。
場合によっては、「とりあえず利息分だけ支払ってください」などと言われることもあるので、連絡は大切です。
遅れても何の連絡もない人より、電話で相談した方が「返済の意思あり」と判断してもらえます。連絡せず、遅延すると、催促、督促のハガキ、電話があります。ハガキ、電話は、あなたが契約書に書いた連絡先になります。
それでも放置していると、会社などにも連絡が来るようになります。電話を無視したり、放置することは避けましょう。
〇 返済できないとしても、絶対してはいけないこと!
払っていないという負い目があるので、「カードローン会社」と表示が出ると、電話に出るのが嫌だという気持ちもわからないではないですが、電話に出ない、無視するのは最悪です。
電話を無視し続けると、会社の方まで電話がかかります。目をそらさず、きちんと相談しましょう。
連絡もせず、連絡にも応えず、長期間返済をしない状態を続けると、最悪「差し押さえ」されることもあります。まずは、相談しましょう。
〇 どうしても返済ができなくなった場合
督促のハガキ、電話から3ヶ月以上支払わない場合、あなたの債権は、カードローン会社から債権回収会社や法律事務所に移ります。
その場合、カードローン会社とは相談できなくなります。カードローン会社に依頼された法律事務所とのやり取りになります。債権回収は、法律に基づいて行われますので、カードローン会社からの催促より厳格に行われます。
返済プランを立て、確実に返済していかなければなりませんし、日々の金利も大きくのしかかります。
さらにすすめば、債務整理という方法があります。金利分をなくして毎月の返済額を減額する任意整理や、裁判所に申し立て借金の減額、免除を認めてもらう民事再生や自己破産という方法です。
もちろん、これらのことは信用情報に登録されますが、債務整理をしたほうが金銭的、精神的に楽になることもあります。もし、にっちもさっちもいかなくなった場合は、一人で抱え込まず、弁護士に相談してみましょう。新しく人生をやり直せる可能性があります。
〇 債務整理の種類について
どうしても返済できなくなった場合の、最終的な手段として債務整理がありますが、大きく4つの種類に分けられます。
◇ 任意整理 ◇
任意整理とは、借入開始時点に遡って適切な金利に計算しなおし、過払い分を残っている元本から差し引き、それ以降の金利をカットし、元本のみを3年で分割して払うことです。
これによって、借入金額全体を減額することができます。
カードローン会社が上限金利を超えた金利で貸し付けていた場合、過払い金(利息分)を借りた元金と差し引きし、借金額を減らすことができます。
ただ、任意整理には条件があります。任意整理後の残金を3年以内に完済でき、継続的な収入が見込める人だけが対象です。
任意整理をしたい場合は、弁護士、司法書士に相談すれば、交渉、手続きを行ってくれます。
これによって、闇金からの督促を止めることができます。費用は、着手金が1社につき3万円、成功報酬が約10万円です。
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◇ 特定調停 ◇
特定調停とは、簡易裁判所が関与する任意整理です。任意整理同様、借金を減らせ、督促も止めることができます。
ただ、過払い金の返還無し、手続きの書類が多いなど、同じ条件なら任意整理をおすすめします。費用は、債券者1社で2~4万円とみておきましょう。
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◇ 個人再生 ◇
個人再生は、あなたとあなたが借りたカードローン会社の間に裁判所が入り、借入に関する支払いを止めることです。それによって、借入金額を1/5程度に減らすことができます。その金額を3~5年で返済します。
借入金額を1/5に減らし、残りは免除されます。専門家に依頼する費用は、着手金+成功報酬で40~80万円程度になります。
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◇ 自己破産 ◇
あなたに返済能力がなく、返済義務を守ることができないと判断されたら、裁判所に申し立てを行い、借金をゼロにするのが、自己破産です。
あなたに20万円以上の財産があれば、それを持ったまま自己破産はできません。それらでカードローン会社の借金の返済に充てなければならないので、車や家を手放さなければなりません。
自己破産すると、生活すべてが管理されます。「自己破産したら、借金をゼロにできる!」と簡単に考えるのはやめましょう。最終手段と考えましょう。そうならないような努力をしましょう。
専門家に依頼する場合の費用は、成功報酬はなく、着手金として40~60万円必要です。
また、自己破産を裁判所に申し立てたからと言ってすべてが通るわけではありません。自己管理能力がなく、借りたお金を浪費した場合などは認められません。
あなたの借入金額、収入、資産などをトータルで見て判断され、最終決定が行われます。この際に、嘘があったり、財産を隠したりしていると認められません。認められない場合、借金はゼロにはなりません。
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まとめ
カードローンでお金を借りたら、返済日にきちんと返済するのが基本的なルールです。これを守ろうと皆さん努力をしています。
ただ、どうしても返すことができなくなる場合もあります。数日程度なら許されますが、長い間放置して、返済をしないとさまざまな制限が課せられることがわかっていただけたと思います。
人間、いろんなことが起こりますが、そんな場合は真摯に対応しましょう。カードローン会社に相談することが大切です。
放置し続ける、督促を無視し続けると払わなければならない利息は膨らみ続けますし、精神的にも追い詰められます。
一人で抱え込まないで、専門家に相談することが大切です。